シーズン6 感想といえない感想
クレアの「My turn」
ファイナルシーズンですよ。全8話。
何が残念かというと、シーズン5ラストの「my turn」でクレアさんのターン!!ってなったのに、構想されていたものが崩されたことですよ。
まあ、リアルにクレア(キャラとしてではなく、中の役者さん)のターンになってしまったわけなんだが、本来のクレアターンなストーリーを観たかったんだよ!!
ケビン・スペイシー
ハウス・オブ・カードの主役フランク(フランシス)を演じた俳優さん。
海外ドラマ勢でなくても知っているとは思うが、2017年欧米で、映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインによる数十年に及ぶセクハラを告発したことを筆頭に、同様の被害を受けたことのある女性たちが「#MeToo」と声をあげるようになった。
この時、ケビン・スペイシーも30年以上前に自身の犯したセクハラを告発される。当時14歳だった男性俳優をセクハラしたことで、一応謝罪した?のだが、同時に同性愛者であることをカミングアウト。カミングアウトは非難をかわすためではないかと非難されることに。
セクハラ被害者にとって「だから何?セクハラはセクハラ」なわけだし、同性愛者からも「同性愛者だからセクハラするのでは?と見られそう」なわけで反感は買うよね…タイミング悪すぎだよ。
そして、タイミング悪いのは「ハウス・オブ・カード」のシーズン6の撮影が始まった月だったこと。いや、撮影始まってすぐだったからまだ良かったよね。いや、良かったのか。
ただ、このセクハラ騒動で、
・シーズン6がファイナルになると決定
・8話に短縮されることも決定
クレアのターンで大いに盛り上がったシーズン5ラストが懐かしい…。
凋落の一途を辿るドラマの中のフランクと重なってしまうのは何故だろうか。
フランクの声
ケビン・スペイシーのセクハラ問題は擁護できることではないのですが、この方の演技はとても魅力があり安定感も備わっていて、役者さんとしては高評価な方です。ドラマを観ていなくても、映画「セブン」の犯人役といえば、その演技力はわかるだろう。そう、あの憎い犯人役さんですよ。
そして、私自身、役中のフランクの声が大好きだったりします。
クレアさんも8話で声は好きと、ダグに話していたけど(意味違うけどね)。
声というか話し方かな?
パーソン・オブ・インタレストのグリアさんもそうなんですが、年配男性の威厳のあるというか、偉そうなしゃべりかた。なめらかでいて踊るようなスキップするような話し方なんです。それが耳に心地よいのです。
フランク不在のドラマ
演技力のあるケビン・スペイシー演じるフランクが全く出てこないファイナルは、「ハウス・オブ・カード」というドラマのシーズン6ではなく、後日談的なストーリーと思った方がいい。やはり別物。
もともとファイナルとして制作しようとしていなかった、かつ8話まで短縮された制作陣の苦悩は計り知れないだろう。
死んだことにしかできないよね。それでも、一切、彼の顔を出さず、回顧として前シーズンの彼の出演シーンも使わず、8話までなんとかやり切ったスタッフや役者さんたちは評価してあげたい。
評価といえば、IMDbの評価が酷いですね。1話目から評価5しかない。これ1話目を評価したんじゃなくてケビン・スペイシーの犯したことを考えて評価したのではないかな~と思っちゃう。
だって、1話目は意外と楽しめた。最後に中指クレアさんだったしね。あれは、ケビン・スペイシーに向けてのスタッフの総意が詰まっているのではと考えるととても楽しめる演出。
2話目からはどんどん下がって3とかだけど、妥当ですよね。
ケビン・スペイシー演じるフランクがいるからこそのドラマなので、クレアもダグもなんとなく活かされないままで終わってしまったなという印象。1話目と8話目の「ほら もう痛くない」だけはなんとか収まったけどわけだけど、ラストシーンは、
これで本当に終わりにするつもりなの?と驚いた。
制作陣のことを考えるとこれで限界だったんだろうなとは思うが、残念無念である。
本当に残念でしかないファイナル。フランクがいる状態でのクレアターンを観たかった。