『華麗なる窃盗団 Honor Among Thieves』
番号対象者
ロミオたちの仕事が遅いため、ショウは副業を抜ける。3人に仕置きをして、奪った金品も車のキーもイースト川に投げ捨て、リースが監視している場所へと急ぐ。
対象者はトマス・コロア。各地をまわるワインのディーラーだが、裏の顔は手慣れた泥棒。しかも盗みの手口は国際手配されている窃盗団と一致する。彼の仲間だったマルコは、プラハで勾留中に不審な状況で亡くなっているし、カティヤは麻薬常習犯。ヘンリクとマックスの2人は当局でもめているため、トマスが誰かを始末する可能性が高いとみる。彼らを探るためにショウがスパイとして潜り込むことになった。
リースがカティヤのバッグに、素早く麻薬を仕込み、麻薬犬と化けたベアを連れたファスコに逮捕させると、ショウはロミオのコネを役立て、人手の足りなくなったトマスの仲間となることに成功する。
盗賊団の窃盗の目標は、ホテルの大金庫。客を装ったショウが、コンシェルジュに大金庫まで案内させ眠らせると、トマスたちが金庫を鎖で繋ぎ、車で強引に引きずっていく。式典会場が近くにあり、花火が上がる時間に合わせたので騒音も気にならない。計画通りでトマスは嬉しそうだが、地下鉄で様子を見ていたフィンチは「これで我々は重窃盗まで成し遂げちゃった」と、嘆いていた。
窃盗団の隠れ家まで戻ると、地面に引きずられて溶接部分が露出した金庫をトマスが開け始める。それを見ている仲間たちの手が震えていることに気づいたショウは警戒する。フィンチは、ホテルのシステムに侵入し、中身の預け主が疾病対策予防センターの博士でリスク4の感染症の専門家であることに気が付く。トマスが中身を開けると小さな小瓶がいくつか入っているだけ。すぐに仲間の2人がトマスを銃で撃ち始める。なんとか逃げ出すことができたショウとトマスはセーフハウスで身を隠すことになる。
小瓶のラベルには”MARV”致死率90%のエボラ並みに危険なマールブルグ・ウイルスだ。ウガンダでサンプルを採取した博士が違法に持ち帰ったのだ。トマスに依頼主を聞くが、メールは匿名で報酬は電子送金という。危険なウィルスと知っていたら断ったという彼は、黒幕は絶対突き止めると話す。ショウはフィンチに匿名メールの送り主を探ってもらうことにする。
次の日、ヘンリクたちが遺体となって見つかる。リースが遺体を調べるが、電話も財布もウイルスもなくなっていた。彼らも依頼主に裏切られたようだ。ファスコは留置場にいるカティヤにトマスの写真を見せる。彼女は「彼の死とは無関係」と、トマスが狙われることを知っていたようだ。依頼主はそれぞれに50万ドル上乗せするから、盗みの後トマスを殺せと指示を出してきたのだ。しかも盗みがトマスにしかできないことや、中身を知ればトマスが盗みを嫌がることを知っていたという。
フィンチはメールの跡をたどり、NYで最も由緒ある堅固な保管施設の支払いをしていることを突き止めた。創業以来95年間一度の盗難もない保管施設だ。ショウとトマスが施設を監視していると、建物から出てきた人物にトマスは驚く。プラハで死んだマルコだったのだ。トマスが殺したと思っていたショウだが、彼は「殺しなんかしない、助けたかったが無理だった。」という。マルコはウイルスを誰かに売る電話を掛けている。依頼主とウイルスの用途が判明したが、ショウはマルコを監視するデヴォン・グライスに気づく。彼女が鍛えたISAのエージェントだ。ウイルスを持つマルコは、有用な番号として政府に狙われているのだ。
フィンチはウイルスの件は政府にまかせるべきだとショウを説得する。だが、元政府の工作員だったショウは、彼らがマルコだけでなくウイルスの盗みに関わったもの全員を殺すことを知っていた。そして、トマスは過ちを正す気だとも。私たちの役目は彼らを救うこと、と譲らない。「1本取られたな」とフィンチに言うリースは、このウイルスは昔ソ連が兵器化を企てたほどのもの、サマリタンに渡してはいけないとショウに加勢する。
建物のセキュリティーをフィンチに押さえてもらい、ショウとトマスは保管施設に潜入を開始する。同じ頃、グライスたちも潜入するが、対象者を抹殺しサンプルを処分する指令がでていたのに、完全な状態でサンプルを確保するように指令が変更される。
トマスが次々と鍵を開け、マルコの保管庫までくるがそこにウイルスは無い。行動を読まれていた2人は、マルコたちに待ち伏せされていた。「パンデミックはおまえたちから始まる」と、マルコは2人にウイルスを打とうとするのだった。
フィンチは政府の工作員との接触を阻止するため、リースとファスコにグライスたちの足止めを開始させる。その隙にショウとトマスはマルコたちを倒し、ウイルスを奪い撤退。グライスに追いつかれるが、彼はショウの顔と、ショウがウイルスを持っていることに気づくと2人を逃すのだった。
その後グライスは、自分がショウを逃した時の監視カメラの映像を消去するのだが・・・。
サマリタンはそのデータを修復しはじめる。不鮮明ではあるがショウが映った映像を解析し、新たな標的を検知する。
サマリタンの計画
ルートは選挙の時(S4E5)に危険な状態になったため、この2週間で6つ目の身分をマシンから与えられていた。今日は公園で子守係りの身分だ。フィンチが現れると彼女は「あなたに従うように彼女(マシン)から言われている」と、要件を聞く。フィンチはサマリタンが選挙の時に選んだ、ニコライ・ドーソン知事の試みを密かに妨害するのだという。知事は1200万ドルの補助金をジャレッド・ウィルキンズという男に与えている。彼は2週間前に安定した会社を辞め、”OTPS”という慈善事業を立ち上げたのだ。まずはどんな事業か探らなければいけない。彼は公園のベンチでパソコンを抱え仕事をしているが、幼い息子の世話に手を焼いていた。子守係りの身分の意味を理解したルートは、ベビーシッターをかって出るのだった。
ウィルキンズの自宅で子守りをしながら、ルートは携帯から彼のパソコンに侵入する。OTPSとは”1児童に1タブレット”プロジェクト、州の小学生全員にタブレットを無償提供する計画で、彼は電話口で、教育ソフトの入ったコンピューターが1個20ドルで児童に行き渡ると、嬉しそうに話している。ルートとフィンチは、ソフトはサマリタン製で、タブレットのカメラはあらゆる児童を監視し、彼らの学習や思考をサマリタンが操るだろうと危惧するのだった。侵入に気づかれたのか、ウィルキンズのパソコン経由でルートの携帯がハッキングされかける。ルートは水槽に携帯を投げ入れ、一目散に逃げだした。
ウィルキンズは補助金の大半を使い、最新鋭の3Dプリンターを工場に設置。朝には大量のタブレットが出来上がるよう生産を開始し、帰宅する。サマリタンはマシンチームの動きに気づき、広報活動と偽り監視カメラを建物に設置している。ルートは職員の女性と同じ髪型・洋服を身に着け、その女性を眠らせて監視カメラを欺く。そして、監視カメラのネットワークを切っている間に、清掃係りに化けたフィンチがウィルキンズのシステムに入り込み細工をするのだった。途中でサマリタンは、女性の行動がおかしいことに気づき、技術者に連絡を始める。技術者には「5分でネットを直せば報酬は3000ドル」と連絡し、監視カメラを修理させる。フィンチがギリギリで仕込みを終えると、システムからは煙が上がりだす。全焼する建物をフィンチとルートは見上げる。1120万ドルが煙に消えた。これ以上の補助金は目立つからサマリタンの計画は阻止できたはずだ。だが・・・、フィンチ曰く「怪しいコードは1つ、邪悪な目的があったかは不明。サマリタンに道徳観念がないのは確かだが、我々はウィルキンズさんの善行を踏みにじった」と。我々は正義の名の下にどれだけの悪行を重ねていくんだと言い、去っていくのだった。
感想
サミーン見つかっちゃった?監視カメラの映像が復元されるという、サマリタン恐るべし。しかし、子供たちから操ろうとする長期的な野望が!って、意外に気の長いサマリタンサイドが人間らしい。そして今回、サマリタンは表面的に悪いことしてないので、見れば見るほどマシンチームの重犯罪度が際立っちゃってる。フィンチさんの言うとおり結構な重犯罪を2つも犯してしまってますが・・・。私どこかで、軽犯罪を犯しながら重犯罪を阻止する人助けドラマって聞いたんですが、どうしたマシンチーム。そして窃盗団のトマスは逃がしてあげるという。。。
思ったけどトマスって、仲間運悪いですよね。全員カネに目がくらむという・・・。たぶん次のバルセロナで仲間募集するだろうが、ロクな人がこなさそう。ショウの誘いに乗ってマシンチームに入ったほうが良いのではないかと一瞬思った。このトマス役の方、髪の毛ある画像を見たんですが、坊主のほうがセクシー。ショウ役のサラさんは、スパニッシュ系が好みという役が多いような気がする。
グライス教育してたショウさんを見てみたいかも。なぜかグライスを見ると、ショウの元相棒のコールを思い出すよ、似てないんだけどね、なんかコールを思い出すよ。今のリサーチ2.0に疑問を持ってるからだろうな。ブルックスが”インディゴ”の二の舞になるって忠告してたけど、2人ともショウたちがどうなったか知ってて、政府のやり方に従ってるのかと思うと・・・。
フィンチと意見が食い違うショウの援護にまわるリースがお兄ちゃんすぎます。
そしてファアスコはそんなリースに巻き込まれ犯罪を犯すという・・・。カティヤの冤罪逮捕に、政府の工作員に銃撃するという、ファスコがんばれ!
あ、ロミオって犯罪者との横のつながりを利用するために必要だったのね。ショウの暴れたい願望を満たしてあげるためだけに用意しただけかと思ってたけど、って、マシンちゃん用意周到。
トマスと誘惑し合うショウの耳元で、暇なルートさんがここぞとショウを誘惑しようとして通信切られるウザさがイイです。この後の地下鉄でポツーンと佇むルートを見てみたかったかも。盗みの後で、デートはどうだった?と聞くルートの笑顔の怖さ、横のフィンチさんがビックリしてるよ。それを聞いてウザそうな死んだ顔で無視するショウの顔。フィンチさんやリース君を欺くルートが、ショウ相手に完全3枚目なのが楽しいです。
最後に「ここに大事なものがある」って言われて良かったねルートさん。ルートの締りのない笑顔がツボでした。
それより、この美女2人は、地下鉄でお留守番させると、フィンチさんのデスクに足を乗せるというフィンチさん泣かせ。(ショウは前回)
今回疑問なのは、マルコは死を偽装してまで何をしたかったのか、まあたぶんカネがらみだろうなと思うけど、あと、ウイルス処理はルートとショウがしたけど、博士どうなったんだ。まだ探してんじゃないのか、そこらへんはフィンチさんが上手く情報操作してくれるのかな。しかもなぜウイルス回収できなかったのにサマリタンは手を引いたのか・・・。そしてフィンチたちが全焼させたとはいえ、失敗に終わったドーソン知事かウィルキンズさんは、サマリタン側に処分されそうじゃない?って思った。
今回の結論:マシンチームが早とちりで重犯罪を犯しながら引っ掻き回した。