『Q & A 』
番号対象者
対象者はIT企業の”フェッチ・アンド・リトリーブ”に勤めるアナ・ミュラー。
リースは刑事の副業として、この会社に警備員として雇ってもらい、フィンチはウィスラー教授として、最高技術責任者のカルヴァン・メイザーと、CEOのローレン・ブキャナンにアルゴリズムの執筆のためと偽り、事業内容を伺う。
この会社では、音声操作する検索アプリ”VAL”が世間で評価されていた。アナはこの”VAL”のスタッフだ。彼女の携帯にペアリングすると、アレックという人物からDVを思わせるようなメールが入る。しかも彼女には乱暴を受けた痕が見られた。
彼女はプログラマーのナレッシュ・プラサドとランチをしながら、例の異常のことを誰かに相談したか聞いていた。”異常”とは何なのだろうか。
リースが会社を終えたアナを尾行すると、向かった先は闇試合。アレックはアナのトレーナー、彼女のリングネームは”破壊者”だった。大学時代から柔道とキックボクシングで入賞していた彼女は、総合格闘技に挑戦。乱暴されたわけではなく、この格闘技が傷の原因だった。
次の日、アナが会社にいる間に家を探ると、緊急アラートを手に付けた姉がベッドで眠っていた。姉は病気で化学療法を受けているようだ。
会社ではナレッシュの姿がなくなり、彼の机も片づけられていた。アナはブキャナンに呼ばれると、VALの検索結果のことで、ユーザーのポール・ジマーマンに接触したことを怒られてしまう。個人情報保護の方針を破り訴訟に発展するからだ。この会社に居続けたいなら二度としないように忠告される。
会社を出たアナは、覆面の2人組に連れ去られそうになる。尾行していたリースが助けると、力になるといい署に連れていき話を聞き出す。数日前、VALへの質問を文字に起こしていると、ユーザーであるポール・ジマーマンの質問が気になったという。彼の質問は”うつの相談先は?””自殺相談ダイヤルの番号は?”珍しい質問ではないが、通常ならその相談先の番号をVALは答えるのに、彼の時は、’苦痛の少ない自殺法’や’自殺後家族が困らないためには’と答えている。VALが彼の自殺を後押ししたのだ。メールで上司に知らせたが反応はなく、友人のナレッシュに頼んでジマーマンの番号に電話をしたが、彼は前の夜に自殺していたという。
アナは数か月前、病気で苦しむ姉からジマーマンと同じ質問をされていた。姉がVALで同じ質問をしたとしたらと考え、ジマーマンを救おうとしていたのだ。ナレッシュの姿も見ていない。彼も危険かもしれない。
その後、リースはオフィスを引っ越しし、課長に昇進したナレッシュを探し出した。
彼は上の連中に買収されていたのだ。
ファスコと署にいたアナの下に、姉の容態が変化したという緊急通知が入る。救急車が来るため2人は家に向かうが、緊急通知はワナで、家で待ち伏せしていた何者かにアナは連れ去られてしまう。
フィンチに連絡すると、VALのコードを改ざんして、ジマーマンの感情を操ろうとしたのだろうという。その結果自殺した。アナは口封じに消される。フィンチはVALのアルゴリズムをみれば狙いがわかるという。
車の後部座席に寝かされていたアナは、連れ去られる中、自力で前に乗っている男をたちを倒そうとする。蛇行運転の車は、最終的に待ち伏せしていたリースに止めを刺され、アナは無事救出された。
ファスコはナレッシュの所に行くと、サーバーにアクセスしてもらい、フィンチに応答アルゴリズムを送る。
フィンチがアルゴリズムを解析すると、ジマーマンだけでなく大勢の人が標的だったことが判明する。うつに関して検索履歴がある人に、悪化させるような答えを返していたのだ。他にもギャンブル依存症の人や借金のある人も対象だ。そして、抗うつ剤はこの検索システムの広告主が扱っている商品だった。検索結果で誘導し、弱みに付け込み消費者を作り出しているのだ。フィンチはVALに密かに手を加えた人物を探し出す。
すると、カルヴァンだったことが判明する。
フィンチからの連絡の前に、ファスコはナレッシュを連れて、ブキャナンの下を訪れる。ナレッシュは誰かがVALを改ざんし死者が出てると彼女に話すのだが、そこにカルヴァンと彼が雇った警備員が銃を向けてきた。ジマーマンのことはテストで出た不運な結果の1つだという。ブキャナンは無実の人を殺してはダメだと説得するが、彼は聞く耳を持たない。ファスコは銃を奪われてしまうが、リースとアナが助けにきて、カルヴァンたちを素手で大人しくさせることに成功するのだった。
オウムガイ再び
フィンチは、以前クレア・マホニーが対象者となったときに見かけた、オウムガイの迷い犬の貼り紙を再び目にすることになった。全く同一のオウムガイのパズルだが、よく調べると貼り紙の中にデータが隠されていた。”あなたは正しかった”貼り紙を作成した人物が危険だと悟ったフィンチは、データを解析し、場所を探り当てる。
その場所で隠れていたクレアは、フィンチを見つけると、”オウムガイ”の裏にいる人たちに利用されたと話し出すが、いきなり狙撃されてしまう。フィンチは彼女を手当てするため、近くのヘイズ葬儀場に隠れることにした。
クレアが目覚めると、なぜ逃げてきたのかフィンチは事情を聞く。ゲームのあとある集団に迎え入れられた彼女は、”世界を良くする使命のために人材を求めてた”と言われ、指示されてハッキングで情報を盗んだが、そのことで普通の人が死んだ。
”チャールズ・ウィン”というソフトウェアデザイナーは、生まれたばかりの孫を抱いたばかりだった。奴らは彼のコーヒーに毒を入れたと話す。早く気づくべきだったという彼女は、道を誤るのを止めようとした唯一の人で、名前の知らないあなたを捜そうと思ったと話すのだった。
フィンチはその集団が世界を良くしてはいないこと、指導者の下に世界を作り替えていることを話す。その指導者は人を殺すのもいとわない存在、人工知能”サマリタン”だと。サマリタンの名前を聞いたクレアは、USBを取り出す。彼女はその集団にもハッキングをしていたという。これは最後に盗んだもので、古いドライブにあったソースコードの一部だったという。そのラベルには”サマリタン”と記載されていたという。2人で力を合わせこのソースコードを使って、サマリタンを攻撃しようと提案してくる。
サマリタンのソースコードが入ったUSBをパソコンに挿すか悩むフィンチは、”チャールズ・ウィンの死亡記事”を検索し、次にファスコに彼の死亡記録をみてもらう。クレアの言ってることがウソだと分かったフィンチは、ウィンが車の事故で亡くなったこと、毒であるアコニチンは検出され無かったことをあげる。このUSBを挿せばプログラムが起動し、自分の関わった人の情報を読み取り、サマリタンは彼らを追跡する。帰ってサマリタンに報告したらいいと話すと、彼女は、私を見殺しにはしないはずだという。「大事な人を失って変わったんだ もう仲間を失う危険は冒さない」と、
フィンチは立ち去ろうとする。だが、クレアは事故の詳細を話しだす。血液検査すればアコニチンは出るが、ウィンには病歴があったから誰も調べなかったと。「誤解をしたまま置き去りにするなら、私まで失うよ」と、フィンチを引き留めるのだった。
クレアの下に残ったフィンチは、USBをパソコンに挿そうとする。そこに、ファスコから応答アルゴリズムが送られ、そうこうしている内に、警備員が来てしまい、フィンチは骨壺を振りかざし警備員を眠らせることになった。
アルゴリズムの解析を横で見ていたクレアは、フィンチがこんなにやり手だったなんてと興奮し、教えていないハロルドの名を呼んでしまう。フィンチもそれに気づくが、クレアは銃をフィンチに向け、電話とパソコンを渡すように言う。
クレアがサマリタンの実態をみるべきだと連れてきたのは学校だった。授業を受ける子供たちを見ながら、サマリタンの目的は人の支配ではなく、人を救うことだと話す。この学校はサマリタンが改良した教育システムに基づいている。自分の考えに固執しているフィンチを変えたいという彼女は、仲間になってと言うのだった。断ったらどうなるか聞くと、サマリタンのエージェントたちが出てくる。最後にフィンチは、「サマリタンは計画のために君を撃った、子供達にはどんな手を使うだろうか」と聞くが、クレアはフィンチを連行することを選んだ。
エージェントたちに囲まれフィンチは連れていかれるが、外に出た瞬間、ルートが襲撃してきて助け出される。
携帯だけは回収できたが、ノートPCは奪われてしまった。発信器を仕込んでいたが、信号はなし、破壊されたようだ。ゲームは引き分けに終わったとフィンチはつぶやく。
グリアの下では、エージェントがPCに仕込まれていた発信器を破壊していた。だが、PCの履歴は全て消されていた。
フィンチを連行できなかったクレアは、グリアに自分の落ち度だと謝る。だが、指示通り動いたクレアに、君は特別で得がたい存在だという。信用させるための狙撃は、外れるはずだったのではと彼女が質問すると、正当な理由があってのことだと答えるのだった。
企業買収の会合に出かけるグリアが向かった先は、あの”フェッチ・アンド・リトリーブ”であった。今回の騒動で株価は暴落。後が無い状態のブキャナンが会合の席に座っていた。
感想
クレアはサマリタンを良い人工知能のように思ってるようですが、今回のことで少し不信感を抱いてくれたのかな~、狙撃は外れるはずだったのにと言ってたけど。ただ、不信感だすとすぐに殺されそうな勢いあるんで、もう処分されてそうですが・・・。
なんというか、今回はマシンチームがやってきたことが、無駄だったんじゃないかと思うものが多くてですね、ガッカリですよ。前回の4×2でも、今エピソードでもクレアの考えを変えることができないし、クレアが案内した学校の子供たちは、サマリタン製のタブレット持ってるという。これは、4×7でフィンチが犯罪を犯しながら阻止したはずなのに、こんな短期間で再度あの企画を立ち上げちゃったサマリタンの脅威のスピード。
そして、今回番号対象者だったアナを救うため、会社の黒幕をこらしめたのに、弱体化したその会社を買収しちゃうグリアじじい。カルヴァンが改ざんしたアルゴリズムをそのまま奪って悪用できそうだもんね。最後のブキャナンのやるせない顔が・・・。
ルートさん、帰ってくるの思ってた以上に早かったよ。そして、ヒョッコリ顔だしたかと思うと、爽快にカッコイイとこを搔っ攫っていく。
フィンチさんが振りかざした骨壺、凹んでた。あんなに凹むほど警備員さんを殴るフィンチさんは、たぶん誰よりも最強だと思う。