『アンチウイルス Search and Destroy』
番号対象者
カステラム・セキュリティ社のCEOであるスーレマン・カーンが、突如何者かにハッキングにあってしまう。彼の財務調査や給与の詳細、送信されたメールが流出、極めつけは、彼に横領の疑いが掛けられてしまう。
アンチウイルスソフトのパイオニアである彼は、家の車庫で開発を始め、世界一のセキュリティ・ソフト会社を立ち上げた。彼のセキュリティ・ソフトは世界の機器の86%にプリインストールされ、政府の様々な部局で使われている。成功して億万長者になったが、彼の個人資産はこの前の株価暴落で大打撃を受けていた。
カーンのセキュリティが堅固なため、携帯がペアリングできない状態だ。ルートの力を借りたいが、彼女とは仲たがいしているフィンチは、早く仲直りしろとリースに言われてしまう。そのルートはマシンの指示に従い、レストランの客と店員を眠らせると、飛行機から落としても傷一つつかない発信機つきの特注ケースを奪っていた。後に、持ち主たちが奪い返しにくるのだが、それも撃退。発信機も自力で壊すが、マシンとの仲もフィンチの件で険悪になっているようだ。
カーンが会議に遅れて到着すると、彼のクビは満場一致で決まってしまっていた。着服はしていない、誰かにハメられたというが聞いてもらえない。会計士からは株価暴落で資金を失い、会社のお金を盗んだと疑われ、カーンが双極性障害のため通院していることも暴露されてしまう。彼はIDバッジを回収され会社から追い出されてしまうのだった。家に戻るも、国税局から何もかも持っていかれ、頼りの法律事務所にも、関係修復中だった妻にも愛想をつかされてしまう。
会議に招かれていたゾーイは、カーンだけがハッキングされ会社が無事なのは妙だという。彼女が雇われて内密に処理した2011年の不正会計が公になっていないからだ。カーンだけを破滅させ、得をする会社の役員の仕業だろうか。
カーンは登録のない銃を助手から貰うと、カメラのない場末のバーでマークと会い、自身の疑いを晴らそうとする。マークとは30年来の仲、車庫の時からの友人だ。そのマークに会社の計器室を調べるように言う。数週間前、研究中に設備の電源が落ち、調べると光熱費用の口座が空になってるのに気づいたという。会計士に聞きに行くと、金は2万5000バレルものディーゼル燃料に使われてたのだ。会社にはまったく必要の無いものだ。株価暴落も会社の株は無事で、カーンの株だけ紙切れ同然になった。「俺が狙われたんだ」というカーンは、人工知能の仕業だと話す。
これを盗聴していたフィンチは、彼だけが狙われるのは不可能に近い確立で、彼の生活をここまで破壊する力を持つのはサマリタンだけしかいないという。
その間にも、バーの店員が持っていた携帯から、カーンはサマリタンに傍受されていた。彼は脅威としてサマリタンに標的にされるのだった。
マークはもう関わりたくないと店を後にするが、カーンの目的は彼から会社のIDバッジを盗むことだったのだ。
カーンはそのIDバッジで会社の計器室に潜り込む。リースは彼に見つからないようにその様子を監視するのだが、電力の計器は毎時3812キロワット使用されている。ただのウイルススキャンではなさそうだ。NY市警がきてしまい、仮の身分がバレるためリースはカーンを保護できないまま、彼は逮捕されてしまう。
彼が犯したのはただの不法侵入なのだが、逮捕から20分しか経っていないのに、ライカーズ刑務所に送られてしまう。サマリタンのデータ改ざんで、彼には不法侵入だけでなく5州で6つの逮捕状まで出ていた。カーンが勾留された檻の中には、同じく勾留されている犯罪者が多数いる。そこでもサマリタンは、携帯を隠し持ってた犯罪者の一人に”5万ドル振り込んだから、この男殺したら追加で5万ね”と、カーンの顔写真とメールを送るのだった。男に首を絞められ殺されそうなところを、職員の制服をきたリースが助け出し車で逃走するのだが、サマリタンは監視カメラの映像で追跡すると車道の車止めを作動させ、リースが運転する車を横転させてしまうのだった。カーンは気絶、何とか車から這い出るリースの前に追手の車が止まったと思ったら、乗っていたのはルート。彼女の助けでカーンを連れてセーフハウスへと隠れることに成功する。
サマリタンの狙い
セーフハウスにカーンを連れていくと、3人は中華のテイクアウトで腹ごしらえをする。目覚めたカーンから話を聞くと、彼は会社の電力が社内サーバーではなくほかの何かへ使われてるという。株価暴落、サイバー攻撃に一瞬で変わる信号、人工知能の見えざる手が操り、自分は狙われていると話す。狙われる理由は、彼の研究している生物工学なのかもしれないということだ。来年生産予定だった、デジタル免疫チップ。ワクチンの効果切れを感知できるものだという。
その時、ルートがハッキングに使われたポートから少量のデータが遠隔地に送られていることに気づく。場所は森林のようだが、カーンに心当たりはないという。
武器を車に積み込み、その場所に向かうリースたち、そして、自分が狙われた理由を突き止めたいカーンが強引についてくることになった。
着いた場所は何もない場所、マシンからの指示で設置された監視カメラを壊すが、すぐに戦闘員がやってくるだろう。手早くこの場所に何があるのか確かめなければいけない。
雪の中に埋もれた扉を開け階段を降りていくと、中には一人の男がパソコンを見ていた。ディーゼル燃料はここの発電機用、会社のお金はここにつぎ込まれていた。カーンのアンチウイルスソフトが改変され、世界中をスキャンしている。世界中を捜し、結果はここに送られてくる。だが、ウイルス探しじゃない。見たこともないコードに、カーンは動揺するが、フィンチは何も言わないままだった。
地上ではサマリタンの追っ手がきた。外に出るとマルティーヌたちと銃撃戦となる。ルートはマルティーヌがいると分かると、「あの女は殺す」といい、前に出て行ってしまう。弾が無くなりお互い素手で殴り合い、マルティーヌをあと少しで仕留められるかと思ったが、戦闘員が続々とやってきたためリースに止められ、撤退することになるのだった。フィンチと隠れていたカーンは、いつの間にかいなくなっていた。
廃地下鉄に帰り、手当てをするルートに、マシンから特注ケースを開ける許可が出る。
中には高価なパインコーンエッグがあったが、それは処分し、炭素繊維とケブラーを使用したケースは、中身が空のまま棚に戻された。
地下で見たものは、フィンチがつくったコードだったのだ。マシンには既存のOSや言語を使わず、世界に一つのコードを使用したのだ。サマリタンがマシンに気づかれずに探す方法が、カーンのソフトだったのだ。あらゆる機器にインストールされ、コンピューターのバックグラウンドで、全ファイルがチェックされる。だが探す対象はウイルスではなくマシン。見つかるのは時間の問題だとフィンチは話す。
カーンはグリアの下に連れてこられていた。グリアはマシンの居場所を突き止めるため、彼のソフトを使ったが、マシンはネットワーク上にいなかったようだ。人工知能をを見たいと好奇心を出すカーンをグリアは銃で殺すのだった。
感想
フィンチさんに武器の扱い方を教えるリース君、「俺もいつか、いなくなる」って、次回のフラグがちりばめられてた。フィンチさんが武器を持つときは最後らしいが・・・。
ここでも可愛い頬杖フィンチさん、そして、黒髪ルートさんは印象がだいぶ変わっちゃいますね。マルティーヌさんは髪色イメチェンしてる!
箸を器用に扱うルートとフィンチの横で、リース君は箸を断念したのか食べにくそうにしてたと思ったら、途中からフォークに変わってた。
「当分、顔みせないで」って言われたルートなのに、仲直り早かったな。フィンチにルートと早く仲直りしろとか、手当てしてるルートの所にバーボン持ってくるリース君でしたが、ルートとリースのチームとしての距離が縮まったのかと思ったけど、手当てはしてあげないんだな。ショウには手当てしてあげてたのに。マルティーヌを仕留められなくて残念だが、マルティーヌもっと強かっただろ!ターミねーちゃんはどこいった!そしてルートも元殺し屋だったよね。2人ともなんか弱くなってないか。
POIはπ好きすぎですよね、ケースの番号も314だなんて。廃地下鉄の入り口である自動販売機の暗号もπです。フィンチさん曰くπには全てが含まれている。 (2πR)